仕事のミスの責任を取って退職してもいいのか?本当の責任の取り方
仕事のミスの責任を取るために退職するという話をドラマなどで見たことがないでしょうか。
しかし、実際の仕事でミスをした場合、退職することが本当に責任を取ることなのでしょうか。
ここでは、仕事のミスに対する本当の責任を果たし方を紹介します。
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目次
退職する前にやるべき仕事のミスの責任の取り方
まず、ほとんどの場合、仕事でミスしたからといって謝罪や責任をとって辞めるという行為は会社にとっては無意味なことです。
なぜなら、その失敗において損失した時間やお金をどう取り戻すかということの方が重要だからです。
責任をとって役職を辞める社長などがいますが、それはその人がよほどの地位や権力を持っているからです。
謝罪したり、辞めたり、自殺したりすることはただの手段であり、その行為が責任を果たすということにはなりません。
あくまで仕事の失敗の責任を果たすことです。そのためには、損失した時間やお金をどう取り戻すかということに注力しましょう。
もし、責任の取り方が分からなければ、誰かに聞けばいいのです。それは上司や先輩に聞くといいでしょう。
聞かないまま、自分の判断で進めたとしても、かえって悪化して取り返しがつかなくなることもあります。
だから、分からなければきちんと聞きましょう。
そして、やってみてダメなら考えましょう。
焦ってしまうと悪化する可能性もあるので、冷静に対処するようにしましょう。
仕事のミスの責任の取り方は、会社を辞めることではありません。自分の責任を自覚して、きっちり責任を果たしていきましょう。
仕事のミスで責任をとる場合にすべきこと
仕事のミスの責任の取り方は、会社の損失を取り戻すことです。そのためには、具体的にどのように動いたらいいのでしょうか。
ここでは、責任を取るときにやるべきことについてまとめます。
被害を最小限に抑える
ミスをしてしまった場合、まず最初にすべきことは、ミスによって生じた影響を調べ、被害を最小限に抑えることです。
すでに発生してしまった被害については仕方ありませんが、そのままにしておくとますます被害が広がってしまう結果にもなりかねません。
そうなると、ますます会社に損害を与えてしまうことになります。被害は社内だけではないかもしれません。取引先にも被害が及んでいる可能性もあります。
関係するところへの影響を調べ、今後、別の被害が発生しないようにすることが最初に果たすべき責任です。
ミスの原因を調べる
被害拡大が防止できたら、次はそのミスがなぜ発生したのか原因を調査します。
発生原因をきちんと調べておかないと、再び同じようなミスをしてしまう可能性があります。
社内で同じようなミスを発生させないためにも、早めに原因を調査するようにしましょう。
原因をきちんと調査しておくことは、今後の対策や改善案を提案する上でも必要なことです。
なお、本人が調べた場合、責任逃れのために言い訳をしたり、自分に有利な情報を集めたりする可能性もあるため、第三者が加わることも必要でしょう。
上司の処分を仰ぐ
被害拡大を防止し、原因調査が終了したら、上司に報告してその後の自分への処分を仰ぎましょう。
どのような処分になるかは、ミスの種類や被害状況によって変わってきますが、たとえ処分が重すぎたとしても処分内容に反発するようなことは避けた方がいいでしょう。
反発したからといって処分が軽くなることはありません。また、上司の心象を悪化させてしまうことにもなります。
受け入れがたい気持ちになるのは分かりますが、きちんと処分を受けることも大切な責任の取り方です。
また、報告する際に今後の対策案や改善案を提案することも大事でしょう。ミスに対して反省している姿勢がよりよく見られ、処分も軽くなる可能性もあります。
仕事のミスの責任を取るためには自分のミスをきちんと認め、その原因を調査し、今後は同じようなことを発生しないようにすることです。
退職を考える前に、ここに書いたことを実行ししっかりと責任を取りましょう。
仕事のミスで責任をとって退職する必要がある場合とは?
業務上のミスでたとえ会社に損害を与えてしまったとしても、よほどのことがない限りクビになることはほとんどないでしょう。悪意を持って損害を与えない限りは大丈夫です。
また、原則としてミスや失敗を周りから責められないのであれば、会社に残っていても問題ないでしょう。
しかし、それが上司や組織から責められるようなミスであれば、辞めることも考える必要があるかもしれません。
社内に「お前のせいで会社が損害をこうむった」とあなたに対する攻撃的な敵意のある空気が流れている場合は、その会社を辞めた方がいいでしょう。
会社内にそのような空気が流れていく限り自分の居心地が悪くなりますし、残って汚名返上しようとしたところで状況は厳しく、無駄な苦労を重ねることになる可能性が大きいです。
こんな時は思い切って会社を辞めたほうが双方にとっても良い結果になるでしょう。
仕事のミスの責任を取り退職すべきケ-スもある
仕事でミスをしてしまった場合、会社を辞める前にミスによる損害を取り戻すことが重要ですが、それでも責任を取って辞めなければいけないケ-スもあります。
ここで紹介するのは極端な例ですが、このようなこともありうることを理解しておきましょう。
それは会社が社員に対して損害賠償を請求する場合です。
たとえば、ろくに勤務内容の指導をしていないのに、社員の発注ミスがあり会社に大損害が出たため、その社員に多額の損害賠償を請求しようとする会社などです。
法律上は請求して問題ないため、従業員が損害賠償請求に応じないようであれば解雇する方向にもっていくのです。
もし自分のミスに対して必要以上の責任を迫られ、損害賠償まで請求されるようだったら、会社はこのような考えをしている可能性があるため、無理に戦おうとせず、転職活動を始めて、こちらから辞表を提出した方がいいでしょう。
仕事のミスの責任を取り退職する場合は自己都合退職
最後に仕事のミスで退職せざるを得なくなった場合の注意点を書いておきます。
それは、仕事のミスが原因の退職は、自己都合退職になる可能性が高いということです。
まずは、この「自己都合退職」について説明します。
自己都合退職とは?
法律では「自己都合」や「会社都合」と明確に退職者を定義しているわけではありませんが、退職した理由によって給付期間制限や給付期間を定めています。
雇用保険法33条第1項では、次のような場合に自己都合退職として扱うこととしています。
被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、または正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合
「自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇」は懲戒解雇を指し、労働者が自らの過失や故意によって会社に損害を与えたために会社から解雇を受け渡されたケースのことです。
一般的な理由による解雇は会社都合となりますが、懲戒解雇の場合は自己都合となります。
「正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合」は、自分の意志で退職を希望したケースを指します。
仕事のミスは会社に損害を与えたことになるので自己都合退職となる可能性が高いわけです。
自己都合退職の場合、失業手当を受け取ることはできますが、3ヶ月間の失業手当給付制限が課せられ、失業手当を受け取るには4ヶ月も先になってしまいます。
また、給付期間も会社都合の場合に比べて短めになっています。
仕事のミスで退職することになった場合は、このような処分になるということも理解しておきましょう。
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