試用期間中、正社員が退職したくなったときにとるべきプロセス
多くの企業では正社員を新規採用した場合に雇用期間を設けています。
これは企業側が新入社員の適正を判断するだけではなく、雇用された社員自身が自分と企業の適正を見極める期間でもあります。
そして見極めた結果、試用期間中に退職を決意する人もいるようです。
でも、試用期間中に退職したいと思ったらすぐに辞めることができるのでしょうか。
そこで、ここではそのことも含め、退職時におけるプロセスを紹介していきます。
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目次
正社員の試用期間中に退職したいと思ったら注意するべきポイント
まず最初に、正社員の試用期間中に退職しようとする前に知っておいてもらいたいポイントを紹介します。
「実際に働いてみたらイメージと違っていた」などの理由で試用期間中でも退職したいと思うことはありうることでしょう。
しかし、実際に退職する場合には順序としていくつかのポイントがあります。
次のポイントを知っておいてください。
まずは即日退職は原則ダメだということです。退職すると決めたらすぐにでも退職したいところですが、それは原則できません。
なぜなら労働基準法で、退職希望者は退職予定日の2週間前に退職の申し出をすることが定められているからです。
だから、最低でも退職までに2週間の期間が必要になるということです。
また、退職を決意したら、なるべく早く直属の上司に退職の旨を伝えましょう。
このとき大事なことは「自己都合による退職であること」と「明確な退職の意思を伝えること」です。
退職の申し出をする際には、ぜひ意識しておきましょう。
また、試用期間だからといって簡単に解雇にはなりません。
会社は正当な理由(経歴詐欺、出勤率・勤務態度に問題ありなど)がない限り、解雇することはできないのです。
解雇通知に関しても、30日前に予告するか、予告の代わりに30日分以上の平均賃金(解雇予告手当て)を支払うかの義務が会社にあるため、すぐに解雇はできないようになっています。
このように実際に退職しようと思っても、ある程度、期間が必要になってきます。
もし試用期間中に退職しようと思ったときは、ここに書いたポイントに気をつけて準備を進めてください。
円滑に退職するためにも、退職の意思が固まったら、早めに上司にその旨を伝えるようにしましょう。
正社員の試用期間であっても簡単に退職できるわけではない
試用期間だからといって気軽に辞めていいということでは決してありません。
本採用を前提として入社したものの、実際の仕事内容がイメージと違っていたり、社内の様子など入ってみなければ分からなかったことが発覚したりと、入社前に考えていたこととの間にギャップがあり、退職を考えることもありうることでしょう。
また、体調面や人間関係、家庭の事情など、やむをえない理由により退職を余儀なくされる場合もあるでしょう。
しかし、どのような理由があるにせよ、気楽に辞めていいということではありません。辞めるためにはきちんとした手順を踏む必要があります。
自分のことが原因で退職をする場合は、自己都合退社になります。
このことを理解して、適切な手順を踏めば、会社が退職を拒むことはありません。
さらに、法律上では、試用期間であっても労働契約は結ばれているという解釈をされるということを覚えておきましょう。
また、試用期間中であるなしに関わらず、退職するときには次の原則を覚えておきましょう。
- 即日退職はできない
- 退職の申し出はなるべく早く行う
- 自己都合退職は2週間ほどで成立する
試用期間中であっても気楽に退職していいというわけではありません。
試用期間中では正社員ほど重要な仕事をまかされるわけではないので、仕事への責任という意味では若干辞めやすいとも言えるかもしれませんが、気軽に辞めていいというわけではありません。
きちんとした手順を踏んで退職するようにしましょう。
退職方法には2つの種類がある
次に具体的に退職の種類にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
退職には「自主退職」と「合意退職」の2つの種類があります。
そして、会社がどちらの種類に区分するかによって、踏むべき手続きが違ってくるのです。
それぞれ、どのような違いがあるのか紹介しましょう。
自主退職
労働者の一方的な意思表示により退職の効果が生じるものです。雇用期間の定めがない契約において使われます。
使用者の同意や承諾は必要ないとされており、労働者からの退職届が使用者のもとに到着したのち、一定期間が経過すると退職の効果が生じます。
一定期間は民法の規定で2週間とされています。
このタイプでは退職届を提出したら撤回することは不可能です。
合意退職
退職願を提出することで合意解約を申し込み、使用者がそれを受理(同意・承諾)することで退職の効果が生じるものです。
雇用期間が明確な契約において、契約期間満了前における契約の解消による退職の場合に使われます。
このタイプでは、使用者による受理がない場合は、合意解約の申し込みがされただけで退職の効果は生じません。
また、この段階での退職願の撤回も可能です。
2つの違いは、退職届・退職願を提出したあとの退職の効果の生じ方です。
自主退職の場合は提出して使用者のもとに届いた時点で効果が生じるのに対し、合意退社の場合は届いたとしても使用者が受理しない限り効果が生じません。
これは会社の就業規定や契約形態によって変わってきますので、どちらが適用されるかはきちんと確認しておきましょう。
正社員の試用期間中にたとえ今すぐ退職したくなっても…
入社してすぐに辞めるなんて社会人失格という考え方の人もいますが、実際にその仕事が合っていないようであればすぐに辞めたほうがいいでしょう。
もしかすると、あと数ヶ月働けば仕事の面白さが分かってきてなじんでくるかもしれません。
しかし、いったんやる気をなくした人に再びやる気を起こさせるのもなかなか労力がかかるものです。
また、会社としてもそのような辞めたい人間に時間とお金をかけるのであれば、新しい人材を採用したほうがいいです。
という意味で、退職したいと思ったらすぐにでも辞めたほうがいいのかもしれません。
でも、そこは社会人です。
たとえすぐに退職したいと思っても、きちんとした手順を踏むようにしましょう。
まずは退職したいと思ったら、その意思を直属の上司にしっかりと伝えましょう。
できるだけ直接上司に会って伝えるのがベストです。
精神的にまいっていて出社拒否をしている人もいるかもしれませんが、その場合でも最低限電話で伝えるようにしましょう。
そのあと出社を求められるのか、明日から来なくていいとなるのかは上司の判断次第です。
まずは退社したい意思をきちんと会社に伝えること。
たとえすぐに退社したいと思っても、これはしっかりとやっていきましょう。
正社員の試用期間中の退職意思を伝えるときに大事なこと
退職意思を伝える上で大事なことはどのようなことでしょうか。
最後にその大事なことをまとめます。
まずは上司にアポイントを取ること
退職の意思が固まり次第、すぐに直属の上司にその意思を使えることが重要です。
その意思を伝えるために、まずは上司に直接会うかメールなどでアポイントを取りましょう。
伝える場所はできれば周りに人がいない状況がいいので、会議室などを確保しておくことをオススメします。
このアポイントの段階では「ちょっと相談があるですが」と伝える程度でかまわないでしょう。
退職は口頭で伝えること
この記事の最初にも書いたように、たとえ試用期間であっても、退職を申し出たらすぐに辞められるわけではありません。
だから退職の意思が固まったら、できるだけ早いタイミングで直属の上司に意思を伝えましょう。
退職を伝えるのは手紙やメールは絶対に使ってはいけません。その後の印象が悪くなります。必ず上司に直接会って、口頭で伝えましょう。
また、退職の意思を書面でも示すために退職届を持参しておきましょう。
退職届を出すことによって正式に退職の効果が生じますので、必ず持参しましょう。
ちなみに退職の意思を口頭で伝えたあとに書面を提出する際は、退職願ではなく退職届になりますので注意が必要です。
退職後に同じ業界で転職することになった場合は、会社同士でつながりがある可能性もあります。
そのようなことも考慮して、きちんとした対応をして、退職時に悪い印象や面倒なことは残さないようにしたいものです。
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