うつ病で退職する場合、退職理由は会社都合がメリットあり!
2018/02/05
近年、うつ病にかかるというサラリーマンが急増しています。
過酷な労働や人間関係などでストレスが溜まり、精神的に苦痛を感じるという人が多いようです。
うつ病になると、会社から退職を迫られることになるケースが多いのですが、この場合、自己都合なのか、それとも会社都合なのでしょうか。
ここでは気になるうつ病を巡っての退職についてご紹介します。
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目次
うつ病で退職せざるを得ない場合は会社都合にしましょう
うつ病になると精神的に疲弊していることもあって、判断力も鈍ってきます。
そのため、うつ病になった自分が悪い、と考えて、退職理由を「自己都合」としてしまう人が多いものです。
しかし、会社都合による退職とする場合と比較すると、自己都合による退職では退職金が大きく減ってしまうので損をしてしまいます。
自己都合で退職してもらった方が、会社側としてはもちろん都合が良いのですが、うつ病になるのは自分だけが悪いわけでは決してありません。
うつ病で退職する場合には、必ず退職理由は「会社都合」とすべきです。
離職票の退職理由ももちろん、会社都合退職とするようにしましょう。
これは、失業手当を受ける場合に自己都合よりも会社都合による退職の場合の方が、より多く給付を受けることができるからです。
失業手当の給付期間は、自己都合退職の場合は最長150日であるのに対し、会社都合退職では最長330日となっています。
うつ病で会社から退職勧奨を受け入れれば会社都合になる
うつ病になってしばらくの間休職して、その後に職場復帰をしたとしても、以前のような仕事をこなすことができず、また周囲の目を気にして居づらくなるという人も多いようです。
実際、うつ病になるとほんの数カ月の休養で完治するというわけではありませんし、同じ職場に復帰できても再発するというケースも多くあります。
このような場合には、思い切って会社を辞めて治療に専念して、しっかりと治してから再就職をするというのも一つの方法です。
また、うつ病ということで退職金を割り増しするから辞めてほしいという旨の通告があることも考えられます。
これらの場合、会社からの退職勧奨を受け入れて退職することをお勧めします。
退職勧奨を受けて退職すると、会社都合退職となってハローワークで「特定受給資格者」として扱われることになり、3か月間の給付制限が無く、しかも基本手当の所定給付日数も増えるというメリットがあります。
ただし、多くの大企業には「早期退職者優遇制度」がありますが、これを利用すると自己都合退職扱いとなり、ハローワークでのこのような恩恵を受けることができなくなりますから注意が必要です。
うつ病で退職する場合は会社都合退職ではなく自然退職を
退職しようと考えた時に確認したいのが、退職の形式です。この場合、よく知られているのが、自己都合退職と会社都合退職でしょう。
それでは、うつ病で退職する場合には、どちらを選択することになるのでしょうか。
会社にとってみれば、自己都合で退職してもらう方が支払う退職金も少なくて済みますし、イメージもいいでしょう。
しかし、辞める側にとっては会社都合で退職する方が退職金も満額支給されますし、失業手当も早く受け取れるというメリットがあります。
そのため、うつ病での退職に関しては、自己都合か会社都合かで揉めるということも少なくないようです。
そこで新たな選択肢として挙げられるのが、「自然退職」です。
これは所定の休職期限を過ぎても復職できない場合などに、労働規約に記載されていれば適用されるもので、揉め事を起こすことがなく退職金も満額を受け取れるなどのメリットがあります。
うつ病で休職や退職する場合に安心な傷病手当
うつ病になると、長期の休職を要する、あるいは場合によっては退職しなければならなくなります。
そこでたちまち困るのが、仕事を離れるために収入が途絶えるということではないでしょうか。
そうなると先行きの生活に不安を感じて、ますます病状が悪化することも考えられます。
そこで利用したいのが、傷病手当です。
所定の受給要件を満たせば、月々給料のおよそ3分の2に相当する額が、非課税で最長1年6か月間、受給することができます。
しかも、労災などと違って申請して約1か月後に支給が開始されるのも大きなメリットです。
そのため、仕事ができなくなってもすぐに生活費が受けられることになりますから、うつ病で苦しんでいる人には大変ありがたいものです。
傷病手当を利用すれば、安心して治療に専念できますから、うつ病の人はぜひおすすめの制度といえますね。
うつ病で休職しても直ちに解雇されることはありません
うつ病で長期の療養が必要と診断された場合、果たして会社を辞めなければならなくなるのでしょうか。
うつ病に限らず、何らかの疾病で休職した場合、就業規則などで定められた期間内に治癒すれば復職することになりますが、期間を満了しても治癒せず復職できない場合には、労働契約が消滅することになります。
この労働契約の消滅には、大きく退職と解雇の2つが考えられます。
退職になるか解雇になるかは、各企業が定める就業規則に従うことになります。
しかし、解雇にはそれに伴う大きな理由や手続きが必要とされますし、解雇権の濫用の問題も生じてきますから、会社側としては慎重になります。
そのため、うつ病だからという理由で解雇される、ということは、現実にはあまりないようです。
うつ病を理由に退職を働きかけてくる「勧奨解雇」のケースもあるようですが、この場合も事実上は退職扱いになるのではないでしょうか。
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