生活保護を受給中に長期入院した時の住宅扶助の支給はどうなる?
生活保護を受給中に6ヶ月間入院した場合、住宅扶助(主に家賃)の見直しが行なわれます。
なお6ヶ月間入院していてもその後3ヶ月以内に退院できる見込み(入院期間合計9ヶ月以内)があれば最長9ヶ月まで住宅扶助を受けることができます。
そしてさらに長期の入院になると家の解約や家財道具をどうするかなどについても考えなければならなくなります。
これらの長期入院に関しての生活保護の内容等について調べてみました。
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目次
生活保護受給中の長期入院…その間の住宅扶助について
生活保護制度とは、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保証するとともに、自立を助長することを目的としています。(厚生労働省HPより)
生活保護の扶助の種類には、
- 生活扶助(日常生活に必要な費用:食費、被服費、光熱費等)
- 住宅扶助(アパート等の家賃)
- 教育扶助(義務教育を受けるために必要な学用品費)
- 医療扶助(医療サービスの費用)、介護扶助(介護サービスの費用)
- 出産扶助(出産費用)
- 生業扶助(就労に必要な技能の修得等にかかる費用)
葬祭扶助(葬祭費用)
とがあります。
生活保護を受けておられる方が入院した場合、6ヶ月間入院すると住宅扶助(主に家賃など)が受けられなくなりますが、その後3ヶ月以内に退院できる見込みがあれば最長9ヶ月間、住宅扶助を引き続き受けることができます。
なお、生活保護は基本的に各自治体の判断に任されている部分も多いので、わかりにくい点などがあれば事前にケースワーカーなどに良く相談されることをおすすめします。
生活保護の住宅扶助、長期入院の場合について
生活保護を受けている方が長期入院した場合、住宅扶助(主に家賃)はどのように考えればよいのでしょうか?
入院期間により2つのケースに分けられます。
9ヶ月以内に退院する場合
基本的に入院後6ヶ月までは住宅扶助は受給することはできます。
また、その後3ヶ月以内に退院することが見込める場合には、さらに3ヶ月間の延長が認められ最長9ヶ月までは受給できると考えられます。
9ヶ月以上の入院が見込まれる場合
基本的には入院後6ヶ月までの住宅扶助は受給することができます。
しかし、その後3ヶ月以内に退院する見込みがない場合には、6ヶ月間のみの住宅扶助となります。
この場合、家賃を払えなくなりますので借家を出ないといけません。そしてそれに係わる費用として退去する際に生じる家財を処分する費用(家財処分料)を受けられます。
また、1年以内に退院できる見込みがある場合には処分したくない家財の保管料も受給できます。
そして長期入院を経て退院できるようになった場合には、新しい住居に移転する転居費用も受けることができる場合もあります。
なお、これらの扶助については、自治体によって多少異なる場合がありますので、事前にケースワーカーと良く相談しておくことをおすすめします。
生活保護での住宅扶助の上限は地域により異なる!
生活保護による住宅扶助、これは地域により多少金額が異なっています。といいますのは、生活保護とは「健康で文化的な最低限度の生活を保証する」ことなどを目的に行なわれていますので、地域によって「健康で文化的な最低限度の住居の家賃」も異なってくる訳です。
参考までに、東京や大阪などの住宅扶助(単身の場合)の最高限度額は、東京:53,700円、大阪:40,000円、三重県:35,200円、佐賀県:29,000円となっています(平成27年のデータ)。
地域による差は非常に大きなものとなっています。
それと、家賃の値上げや住宅扶助の引き下げにより上限を超えてしまう場合、基本的には住居扶助を超える住居には住めないとされているようですが、上限を超えた金額を自分で支払えば住むことができる場合もあるようですので、ケースワーカーと良く相談してみてください。
また、賃貸アパートの場合、家賃以外に共益費というような名目で毎月支払わなくてはならない費用がある場合がありますが、それは住宅扶助ではなく生活扶助から各自が支払うことになるようです。
なお、2015年7月に住宅扶助の金額は改定(引き下げ)されています。
生活保護の住宅扶助が減額……今後はどうなる?
生活保護の住宅扶助については、2015年(平成27年)7月から「貧困ビジネス」や「脱法ハウス」(例えば生活保護受給者数人を一部屋に住まわせ住宅扶助で利益を上げる)の対策等として「1人世帯における床面積別の住宅扶助の上限額の新設」がおこなわれました。
また、「2人世帯の家賃基準額の引き下げ」、「2級地の家賃基準額の引き下げ」も行なわれました。
しかし同時に、厚生労働省から経過措置や例外措置についての通達があり、基本的には各地方自治体の判断に委ねられる部分が多くなっているようです。
ですので、今お住まいの住居の家賃が引き下げ措置によって住宅扶助の金額を越えてしまうような場合は、まずケースワーカに相談してみてください。
ただ、自治体によって今回の住宅扶助引き下げに対する対応に温度差があるようですので、粘り強く地元自治体の窓口に相談することをおすすめします。
しかし、どうしても今住んでいる住居を移らないといけない場合には、転居費用(敷金や礼金、火災保険なども含む)は支給されますので、少し安心してください。
生活保護受給中の入院、退院時に注意すべきこと(住宅扶助も)
生活保護を受給中の入院というのは、なかなか厳しいものがあります。
まず、生活保護の中の生活扶助が支給されなくなり、代わりに「入院日用品費」というものが支給されますが、全国一律で23,060円です。
これは、毎月1日の時点で入院しているかどうかによって判断されます。例えば6月2日に入院すれば7月1日まではこれまでと同じ生活保護が支給されます。
そして7月1日より「入院基準」となり、「生活扶助」から「入院日用品費」に切り替えられてしまいます。
これは入院中は光熱費や食費が必要なくなるということからのようです。ですので入院はなるべく月の前半がよいことになります(急病でなければ)。
しかし逆の場合、つまり入院から退院への切り替わり時にはどうなるのでしょうか。これも毎月1日の時点での判断ということになりますから、退院はなるべく月末が良いということになります。
それと長期入院の場合、6ヶ月までは住宅扶助が支給されますが、6ヶ月を越えそうな場合には、その後3ヶ月以内に退院の見込みがある場合にのみ最長9ヶ月までは住宅扶助を受けることができます。
また、入院が6ヶ月を越えそうな場合で退院時期が未定の場合は、家賃を払えなくなりますので一度借家を解約しなくてはならないようです。
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